寒仕込み
一月下旬の大寒波
「十年に一度の…」という伝えられ方をしていました。
最近は今回の雪に限らず、台風など気象に関する表し方で、
よく「数十年に一度の〇〇」といった言い方を耳にするようになりましたね💧
風家にもこの冬一番の積雪がありました。
気温が低い凍てつく日も多く、積もった雪がバリバリに凍り、なかなか溶けず”(-“”-)”
このような時期、日本では「寒〇〇」という言葉・風習が色々あります。
一年で最も寒いこの時期を「寒」の季節といい、
これは寒さが厳しくなる小寒(1月5日頃 寒の入り)から、春が始まる立春(2月4日 寒の明け)
までを表します。
「寒稽古」「寒造り」「寒仕込み」「寒の水」「寒中水泳」「寒中見舞い」など、聞いたり使ったりしたことはありませんか?
先日、風家近くの瓜破の滝の水を汲んでいたところ、
隣にいらっしゃった方が
「寒の内に水を汲んでおかんとなぁ!」
と言って、沢山のペットボトルにせっせと水を入れておられました(^^♪
ということで!この寒の時期に「味噌づくり」をしてきました(^^)/
味噌の材料は、「大豆・糀・塩・大豆の煮汁」です。
蒸した大豆を餅つき機に少しずつ入れて潰します。
大豆がふっくらとしていて、すごく甘い豆の香りがして、そのまま食べたいくらい!(笑)
(以前別の所で仕込んだ時は、少量だったので、ジッパー付きの袋に入れて手や足で潰しました)
糀の塊を手でバラバラにほぐします。
糀独特の発酵の香りがほのかにしていました。
糀がほぐれたら、塩と糀をまんべんなく混ぜ合わせます。
塩と混ざった糀、潰した大豆、大豆の煮汁を丁寧に混ぜ合わせます。
これが結構重労働(-_-;)
でも、「美味しくな~れ!美味しくな~れ!」と願いを込めて💛
潰れた大豆ペーストが完成‼
ここからは楽しい作業(^^)/
大豆ペーストを丸めて味噌玉を作って、ビニール袋をセットした保存容器めがけて、投げつける‼(笑)
投げ込むことで空気が抜けるので、味噌玉を作ってはどんどん投げ入れていきます!
たまに勢い余って容器外へ…なんてこともあるので、気を付けながら(^^;)
入れ終わったら、表面を平らにしてラップをピッチリと付けて雑菌が入らないようにしてから、袋を閉じて重しをしておきます。(ラップではなく塩や糠を直接上に敷き詰めて雑菌予防をしたりもします)
今回は一人約10キロを持ち帰り。
持ち帰って涼しい場所に保管して、6ケ月以上熟成させます。
早くて夏以降に食べられます(^^)
仕込んだ時は白っぽい色ですが、熟成が進むにつれお味噌の茶色になって、
どんどん色が濃くなっていきます♪
今回は福井の「五徳味噌」と呼ばれる味噌を作りました。
「五徳」とは、
●郷土の味を伝える(地元の材料を使う。豆・米)
●自然の力を利用する(天然熟成させる)
●ゆっくりと時間をかける(6ケ月以上)
●塩分控え目(11%)
●安心安全な無添加
この五つの徳があることが由来だそうです。
自然の菌などの力を借りてじっくり熟成させ、糀はやや多めの甘口。
にがりを含んだ自然塩を使うので、塩味もまろやかな米味噌です。
「手前味噌」という言葉がありますが、自家製のお味噌をいただくと、風味・甘味などお味噌の奥行きある味わいが何とも美味しいですよね♡
「自分で作りだすと、買った味噌は食べられない‼」という声を沢山聞きます(*^^*)
手で混ぜることで、作る人の菌やエネルギーも一緒に作用して、その味噌の味わい深さにつながるのだと思います♫
寒さが厳しいこの時期は、水もとても冷たいため(寒の水)雑菌が繁殖しにくく、発酵もゆっくり進み、
味に深みが増すとして、昔からこの時期に仕込むと良いと言われています。
味噌以外にも寒仕込みには、酒・醤油・和紙などもあります。
(海苔・卵・蜆も、”寒海苔” ”寒卵” ”寒蜆” と呼ばれ、寒の時期の物は栄養価が高く上質だそうです)
風家のある若狭町熊川地区では、寒仕込みで「熊川葛」を仕込むのがこの時期の風物詩で、ニュースでも伝えられますよ(#^^#)
来年のこの時期には、和で採れた大豆を使って味噌を仕込みたい♡
その時は風家に作業を手伝いに来てくださいね(^O^)/
みんなで手前味噌を作りましょ(^^♪