山内かぶら
日々の食事をいただくうえで、意識していることの一つに「身土不二」があります。
これは以前、”旬をいただく”の内容の時にご紹介しました。
人間の身体は、自分が住む(居る)場所と切っても切れない関り(影響)があるということです。
自分の居る土地で出来たものをいただく事で、その場の自然と調和し、体調管理がしやすくなります。
「風土=food(食べ物)」
その土地の風土が、作物を育て、人を育てる。
その土地に適したものが育ち、その土地ならではの特徴ある作物が出来ます。
そして、それを使ったその土地ならではの料理や歴史もうまれます。
伝統料理・郷土料理として受け継がれ、各土地・地域の特色が楽しめますよね♪
出かけた先での楽しみの一つにもなります(#^.^#)
ここ福井県や若狭地域でもいくつもの伝統野菜・伝統料理があります。
風家のある場所のすぐ近くにもこの地域ならではの伝統野菜
「山内かぶら」 があります(^O^)
若狭町の山内という、朝霧が立ち込める山あいの集落のみで作られている在来種の蕪です。
代々山内の集落内でこの蕪の種が受け継がれてきました。
今この山内かぶらを栽培・加工・販売を行っているのは、
山内地区の65歳から89歳の12名の女性グループ「山内かぶらちゃんの会」の皆さんです。
この山内かぶらは100年以上前より栽培されていたそうですが、1987年には栽培者の高齢化などで、栽培が一旦途絶えていました。
その後、伝統野菜が見直され脚光を浴び始めた事から、1996年から再び栽培を始め、徐々に栽培面積を増やしていきました。
2016年には国の地域ブランドを保護する「地理的表示(GI)保護制度」に登録され、今では東京や大阪、京都といった県内外のレストランや料亭などからの注文も入ってくるようになったそうです。
今年1月。地元の新聞には、”○○○○さん(有名芸能人)絶賛”という記事が載っていました(^^♪
(インスタグラムのストーリーに写真と紹介文を載せて、味を絶賛したとの記事でした)
(福井県HPより)
山内かぶらは、
普段目にする丸くて艶っとした蕪とは違い、円錐形でゴツゴツしていて、ひげ根も沢山ついています。
たくましさを感じます(^o^)
皮も硬めで、肉質は詰まりしっかりしていて、葉の部分も長めなのが特徴的。
味や香りが強く、加熱しても煮崩れしにくいです。
収穫は11月~2月にかけて行われ、ピークが12月~1月だそうで、
畑を見に行ってみると、ちょうど生産者の方が両手に抱えながら収穫したかぶらを車に運んでおられました。
お話を伺うと「明日給食に使うのから持って行くのよ」と仰っていました(^^)
近くの学校では、学校行事で山内かぶらの栽培や収穫を手伝っていて、
地域全体でこの伝統野菜を継承し、盛り上げていこうとされています♬
若狭地方の旅館で、山内かぶらを使ったメニューの開発・お披露目会をされたニュースや、
山内かぶらの種を使ったチョコレートが作られたりと、
どんどん活用方法が拡大されていきますね♪
そして風家からほど近い場所には、
「いっぷく処 かぶらちゃん」
というかぶらちゃんの会の方々がお食事を提供しているお店があります。(毎週土・日・月のお昼に営業)
和のスタッフは、何度となくこちらのテイクアウト弁当をいただいています(*^-^*)
日替わりでメインのおかずが変わりますが、おかず一つ一つが丁寧に作られていて、家庭の味といったほっこりするお弁当です♡
店内では、
肉うどんとコロッケ・餃子の付いた定食や、日替わり定食(この日は天ぷら定食でした)などがいただけます。
山内かぶらの生産者の方々が作られるので、いたるところに山内かぶらが使われています!
というか、山内かぶら尽くし(笑)‼
うどんには、すりおろした山内かぶらを入れて食べ、コロッケや餃子には葉と実の両方が使われています。
日替わり定食は、お味噌汁、酢の物、和え物、煮物、
全てに生のかぶらや乾燥させたかぶらが使われていて、
天ぷらは、果肉も葉も両方味わえます♪ (天つゆにいれるおろしも、もちろん山内かぶら‼)
まさに、”身土不二” ”旬” ”一物全体”を網羅したご飯です!(^^)!
こちらがお食事や畑のことなど質問すると、いつも丁寧に教えてくださいます♫
生のかぶら以外にも、酢漬けにしたお漬物や、乾燥させた物、種を使た粒マスタードといった加工品も販売されています。
お漬物は程よい甘酸っぱさで、しっかりとした歯ごたえでとても美味しく、ご飯がすすんでしまいます(^^;)
山内かぶらの種から作られた粒マスタードは、プチプチとして食感もよく、優しい味に仕上がっているため、お野菜・お肉・お魚と、なんでも合わせやすい味ですよ!
こんなレシピ冊子もありますよ!
自分でも実際に調理してみました(^^)/
葉の部分をサッと炒めて塩とごまで味付けし、混ぜご飯に♪(左)
葉の香りと風味がさわやかで、茎の部分は甘味も感じられました(^^)
緑の色も綺麗で、シャキシャキとした食感も食欲を誘います!
青臭さや苦みなどはそれほど強くなかったです。
果肉部分はトマトスープにいれてみました♪(右)
熱を加えると甘みが増え、皮ごと煮ているのでよりかぶらの味わい・香りもしっかり感じられます(^^♪
一般的な蕪は煮崩れるくらい柔らかくなりますが、特徴通り煮崩れにくく食感も程よく残っていました。
山内かぶらの持つ風味・香り・食感、それぞれがいい感じに主張していて、
これらの個性が食べていて楽しく、満足感を与えてくれました(*^^*)
最近は、苦み・えぐ味・臭みなどが少ないようにと、品種改良された野菜が多くあります。
誰でもが食べやすいのはありがたいですが、
本来その野菜が持つ個性が薄れてるようで、物足りなさを感じる事もあります。
これから和で作る野菜たちも、
”ここの野菜はなんか違う!” ”野菜が元気で美味しい!” ”また食べたい♡”
そんな作物が出来るようになるといいなぁ♡