私に過食させる、もう一人の自分に気づいていますか?
もうひとりの自分…
誰にでも心当たりがあるでしょうか。
友達といる時。恋人といる時。上司といる時。家族といる時…
思い出してみれば誰もが、その時々に違う顔をした自分がいることに気づきます。
それは人間としてあたりまえのこと、それらを無意識に使い分けているのが人間です。
問題は、自分の意思に反して出てくるもうひとりの自分自身です。
たとえば度を越した食べ過ぎ。
もうお腹いっぱいのはずなのに。
これ以上食べたくなんかないはずなのに。
痩せたいから食べないようにしたいはずなのに。
食べ続けてしまうもうひとりの自分…
度を越した食べ過ぎや過食・過食嘔吐は典型的な分離意識の仕業です。
分離意識とは?
人は自我が受け入れられないと判断した記憶や感情を無意識下に抑圧します。
そういった強い感情抑圧などを続けていると場合によっては感情体とでも呼ぶべきもうひとりの自分が形成されることがあります。
両極性障害、躁鬱、多重人格症、統合失調症、分裂病、これらの病名は精神疾患が分離意識との関わり合いで起きていることを示唆しています。
また、インナーチャイルドと呼ばれるものも分離意識です。
そしてこれらは無意識下の整理整頓と適切な対処によって解消=統合することが可能です。
食べすぎ以外でもいろんな局面で自分になり代わるもうひとりの自分がいます。
一人ぼっちはさみしいはずなのに人から離れて閉じこもる自分。
人と仲良くしたいはずなのに思ってもない態度や言動で人から遠ざかってしまう。
やらなければならないことのはずなのに、どうしても身体が動かない。
うつや気分障害、理由のない落ち込み、極端な浮き沈み…
そうした自分に振り回された後におこること。
それが自己嫌悪です。
そして自己嫌悪すればするほど自分の中の分離は進みます。
当然ですよね、自分が自分自身を嫌っているわけですから。
理解しあうことのないもうひとりの自分はさらに自己嫌悪を招く行動を繰り返します。
一種の自傷行為です。
度を越した食べ過ぎはこういった無意識内にある分離意識が主導権を取ることで起こります。
食べ過ぎ以外でも自分にとってどうしてもうまくいかないこと、苦しみや後悔。
繰り返してしまう失敗のほとんどにこの問題が関係していると言っても過言ではないでしょう。
よく自分を愛しなさい。
あるがままの自分自身を受け入れましょう。
といった言葉を耳にします。
しかし自分の内部が分離した状態でそれを心からでき得る人はいるでしょうか?
私は難しいと思います。
いくら頭で自分自身を愛そうとしてみても、それを許さないもうひとりの自分がいます。
結果的に思い通りにできない自分自身を責めて嫌悪して自信を失う…
実は私自身がそうでしたから(笑)
何がきっかけでそんなに自分が存在してしまうのか?
それはトラウマや、辛かった体験による感情の抑圧、そして無意識に持った思考パターンが原因です。
抑圧し続けてきた感情が、感情体とでも呼ぶべきもう一人の自分を無意識下に作り上げています。
人は誰も頭では成功を願い幸せを求めます。
しかし現実は…
過去の失敗を振り返ってみた時に、正反対の行動を取ってしまう自分に気づきます。
もう少しでうまくいっていたはずなのに…
寸前で思いもよらなかった行動をしてムチャクチャにしてしまった自分。
痩せたいから始めたダイエットのはずなのに・・・
いつのまにか食べ過ぎが止まらない。
チグハグな行動の後ろにはもうひとりの自分が隠れています
足を引っ張っているもうひとりの自分がいます。
それはあきらかに他の誰でもない、違う顔を持ったもうひとりの私です。
一人になったとたんに理由もなくザワザワしてくる胸の中…
自分が望んだことのはずなのに、約束の時間になると気後れしてくる私。
いったい何人の自分が隠れているんだろう?
いったい何を求めて何を嫌がってこんなに暴れまわるのだろう?
それはけしておかしなことではありません。
そんな気持ちになったことのないなんて人は、正直なところ誰一人いないのではないでしょうか。
でも、だからといってそのままでいいわけではありません。
だって自己嫌悪の繰り返しですから。
自己嫌悪はさらなる自己嫌悪を引き寄せます。
自己嫌悪はループします。
結果として自己嫌悪はさらなる分離を作り出します。
そして作り出された分離意識がさらに自分の行動をチグハグにしていきます。
悪循環です。
負のループです。
ではいったい、どうしたらいいと言うのでしょうか?
それは分離した自分の一人々と仲直りしてゆくことです。
実は分離してしまった自分とは抑圧された感情体です。
そしてそれは、奥底に閉じ込めてしまった自分の中の満たされない欲求であり可能性です。
想像してみてください。
自分が何人もに分裂して互いの行きたい方向に向かって突っ走ろうとしていたら…
それぞれ違う方向に向いたベクトルは自分自身を振り回します。
同時にいろんな方向に走ろうとしても、現実はどちらにも進みません。
行っては帰って、また反対側に数歩進んでまた帰って…
もしくはどの方向にも足が進まなくなってしまいます。
この状態が内部葛藤です。
人が悩み苦しんでいる…とは内部葛藤に振り回されている状態を示します。
ベクトルをひとつの方向にそろえる必要があります。
同じ方向を向いて足並みをそろえる必要があります。
それができた時に自己否定はなくなります。
自己嫌悪というループから自由になれます。
初めて心の底から本当に自分自身を愛することができます。
本当は、分離した自分とは自分自身のチームです。
最も近い自分自身の分身です。
足の引っ張り合いはやめにしませんか?
自分とケンカするよりも、自分と力を合わせたほうが何事もスムーズにゆきますから。
無意識を理解することによって自分自身を整理整頓してみませんか?
断食道場 「道場 和(やまと)」のメンタルワークの中にもう一人の自分への理解と対話というテーマがあります。
そこでは、もうひとりの自分が普段の自分に入れ替わるスイッチを明確にします。
そしてそれに振り回されない自分を取り戻します。
また、もうひとりの自分に代弁させている自分自身がおし殺してきた感情を開放します。
もうひとりの自分の声を聞いてみましょう。
そこには大切なメッセージがいっぱいです。
自分が閉じ込めてきた心の底の想いがあります。
自分が本当に受け取るべき宝物が隠されています。
言い換えればそれは、もう一人の自分からの贈り物です。
それを受け取ることは、おおげさではなく人生の質と方向が変わる可能性があります。
せっかくの断食道場での体験は普段とは別の時間です。
身体だけでなく心もダイエットしてみてはいかがですか?